防犯カメラの配線は隠せる?「見えないようにできる」と言われた戸建ての実例

防犯カメラの配線を隠す方法と戸建住宅の施工実例

自宅に防犯カメラを取り付けるなら、できるだけ配線は見せたくない。

これは当然だと思います。

ただし、防犯カメラの配線を隠す工事は、どんな住宅でもできるわけではありません。

天井裏へ入れない。

点検口がない。

カメラを付けたい場所に電源がない。

こうした住宅では、完全に配線を隠すことが難しい場合があります。

以前、戸建住宅の防犯カメラ工事で、まさにそんな現場がありました。

お客様は営業担当から、

「配線が見えないように施工できます」

と説明を受けて工事を依頼。

ところが施工当日、実際に現場を確認すると隠蔽配線できるルートがありません。

お客様からすれば、

「できると聞いたからお願いしたのに……」

となります。

今回はこの実体験をもとに、防犯カメラの配線を隠す方法と、隠蔽配線が難しい住宅ではどう施工するのかを紹介します。

目次

防犯カメラの配線を隠す予定だった戸建住宅

今回の現場は戸建住宅です。

リビングにあるテレビ付近へ、防犯カメラ用のレコーダーを設置。

そこから玄関に設置する防犯カメラまで配線する計画でした。

お客様の希望は、

「家の中にできるだけ配線を見せたくない」

というもの。

営業担当からも、配線が見えないように施工できるという説明を受けていたようです。

ところが、工事当日に施工する側が確認すると問題がありました。

天井裏へ配線を通すルートがない。

これでは、事前に聞いていた内容のまま施工することができません。

なぜ防犯カメラの配線を隠せなかったのか

まず確認したのが天井点検口です。

天井裏へアクセスできれば、そこを利用してリビング側から玄関付近までケーブルを通せる可能性があります。

ところが、

点検口がありません。

そこで次に確認したのがダウンライト。

ダウンライトを外した開口部から天井裏へアクセスできる住宅もあります。

しかし今回の住宅では、ダウンライトを外しても配線作業ができるような天井裏の隙間がありませんでした。

つまり、

天井裏へ入れない。
ケーブルを送ることも難しい。

この状態で「配線を完全に見えないようにしてください」と言われても、簡単にはできません。

無線式の防犯カメラなら解決する?

「それなら無線式にすればいいのでは?」

と思う方もいるでしょう。

今回も無線式の防犯カメラという選択肢はありました。

ただ、今度は別の問題が出てきます。

カメラを設置したい場所の近くに電源がありませんでした。

無線式といっても、すべての機器が完全に配線不要になるわけではありません。

映像・通信は無線でも、機器を動かすための電源が必要になるケースがあります。

そのため防犯カメラを検討するときは、

「有線か無線か」だけではなく、「電源をどこから取るのか」

まで確認する必要があります。

防犯カメラの配線を完全に隠すなら天井を外す方法もある

では、今回の住宅で絶対に配線を見せたくない場合、方法はないのでしょうか。

方法自体はあります。

例えば、

天井を一度外して配管や配線を通す。

必要な部分を開口して配線ルートを作れば、隠蔽できる可能性はあります。

ただし、防犯カメラを設置するためだけに天井を外すとなれば話が変わります。

開口だけでなく復旧も必要です。

工事範囲も広がり、当然費用も上がります。

そのため、

「配線を隠せます」=簡単な工事で隠せる

とは限りません。

既存住宅では、建物の構造によって施工方法が大きく変わります。

現実的なのは配線モールか外回し

今回、現実的に提案できた方法は大きく二つでした。

1.室内を配線モールで施工する

一つ目は、室内の壁や天井に沿って配線モールを取り付け、その中にケーブルを通す方法です。

ケーブルがむき出しになるわけではないので、そのまま露出配線するより見た目は綺麗になります。

ただし、

モール自体は見えます。

そのため「完全に何も見せたくない」という希望とは少し違います。

2.壁から屋外へ出して外回しする

もう一つが外回しです。

室内から一度壁を貫通してケーブルを屋外へ出し、外壁側を通して玄関付近の防犯カメラまで配線します。

こちらなら、室内に長い配線モールを取り付けずに済みます。

ただし今度は、

外壁に配管が見える。

結局どちらの方法にもメリット・デメリットがあります。

だからこそ、工事前に施工方法を説明して、お客様に納得してもらうことが重要です。

「できると聞いたからお願いしたのに」

現場の状況と施工できる方法をお客様へ説明しました。

すると、

開いた口がふさがらない。

「できると聞いたからお願いしたのに……」

そりゃ怒ります。

自分がお客様の立場でも同じだと思います。

今回の場合、営業担当者にも現場経験がありました。

現場をまったく知らない人が判断を間違えたという話ではありません。

それでも、

「配線を見えないように施工できる」

と判断してしまった。

結果として営業担当者も現場へ呼び出され、お客様からかなり怒られていました。

現場経験があっても判断を間違えることはある

ここで営業担当だけを責めたいわけではありません。

工事の仕事では、

「できます」

と多少攻めなければならない場面もあります。

何でも、

「できません」

「難しいです」

「やったことがありません」

と言っていたら、取れる仕事も取れません。

他社が断った工事でも、方法を考えて施工する。

そうやって経験が増え、新しい仕事につながることもあります。

自分自身、

仕事では多少攻めることも必要だ

と思っています。

ただし、

攻めることと、確認せずに「できます」と約束することは違います。

攻め続けていれば、いつか大きなトラブルにつながる可能性があります。

だから判断が難しい案件ほど、事前確認が重要になります。

分からなければ施工担当者と一緒に現地調査する

今回のようなケースなら、方法はシンプルです。

営業担当だけで判断が難しければ、

実際に工事する人間と一緒に現地調査すればいい。

施工側が確認すれば、

  • 天井点検口があるか
  • 天井裏へアクセスできるか
  • 配線ルートを確保できるか
  • カメラ設置場所まで電源を持っていけるか
  • モール施工になる可能性があるか
  • 外回しが必要になるか

などを、契約前にある程度判断できます。

現在では、以前に比べて営業担当と施工担当が一緒に現地調査するケースも増えています。

自分は、このやり方が一番いいと思っています。

できるなら、どう施工するのか。

できないなら、代わりに何ができるのか。

それを契約前にお客様へ説明できます。

最終的には外壁に近い色の配管で施工

今回のお客様は、施工方法が変わっても、

「防犯カメラはどうしても取り付けたい」

という希望でした。

そこで最終的に選んだのが外回しです。

ただ、

外回しだから配管を付けて終わり

というわけにはいきません。

自宅ですから、その配管は工事後もずっと目に入ります。

そこで、できるだけ住宅の外観を損なわないよう、

外壁の色に近い配管を選んで施工しました。

完全に配線を消すことはできませんでした。

それでも、その住宅で可能な方法の中から、できるだけ目立たない施工方法を選ぶ。

最終的には、その方法で防犯カメラを設置することができました。

防犯カメラを後付けするときは契約前にここを確認

これから戸建住宅へ防犯カメラを後付けするなら、カメラ本体だけでなく施工方法も確認しておくことをおすすめします。

特に確認してほしいのは、

「配線は最終的にどう見えるのか?」

です。

「配線は隠せます」と言われた場合も、

どこを通すのか?
本当に完全な隠蔽配線なのか?
一部モールが見えるのか?
屋外配管になる可能性はないのか?

ここまで聞いておくと、工事当日の「話が違う」を防ぎやすくなります。

防犯カメラは画質や録画性能も大切です。

でも既存住宅へ後付けするなら、

カメラまで電源と通信をどう持っていくか

も同じくらい重要です。

「自分の家でも、その施工をするのか」

自分がこの仕事を始めた頃、最初に言われたことがあります。

「自分の部屋でも、そのように配線や配管、機器を取り付けるのか?」

そして、

「自分だったらやらないと思うなら直せ」

と言われました。

当時も当然だと思いました。

今でも、この考え方は変わりません。

もちろん、住宅の構造によっては希望通りに施工できないことがあります。

今回の防犯カメラもそうでした。

だからこそ、

できないことを「できます」と言うのではなく、できる方法の中から一番いい施工を考える。

これが施工する側の仕事だと思っています。

関連記事:テレビが突然映らない!原因はネズミにかじられたアンテナケーブルだった

住宅では、普段見えない場所の配線が原因でトラブルになることもあります。
実際に以前、ネズミにアンテナケーブルをかじられてテレビが映らなくなった現場がありました。

まとめ|防犯カメラの配線を隠せるかは現地調査が重要

防犯カメラの配線を隠せるかどうかは、住宅によって違います。

今回の住宅では、

点検口がない。
ダウンライトからも天井裏へアクセスできない。
無線式を検討しても近くに電源がない。

という状況でした。

完全な隠蔽配線をするなら、天井を外すなど大きな工事が必要になります。

そこで最終的には、外壁の色に近い配管を選び、外回しで防犯カメラを設置しました。

大切なのは、

契約してから施工方法を考えるのではなく、契約前に配線ルートまで確認すること。

営業と施工側が一緒に確認できれば、なお安心です。

防犯カメラを後付けするときは、

「カメラをどこに付けるか」だけではなく、「そこまでどう配線するのか」

まで確認してみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

実務ラボ|電気工事の現場人のアバター 実務ラボ|電気工事の現場人 電気・電気通信工事の現場経験者/会社経営

18歳から建設業界で現場を経験。大工を経て、23歳から電気通信・電気工事の世界へ。NTT関連の集合住宅工事、光回線の引込工事、CATV、テナント電気工事、全国規模のLED切替工事など、さまざまな現場に携わってきました。30歳で独立し、現在は電気・電気通信工事に関わる会社を経営しています。実務ラボでは、現場で実際に経験してきたことをもとに、電気工事・電気通信工事・工具・資格・独立・会社経営について発信しています。

コメント

コメントする

目次