漏電ってどうやって気づく?実際に火災も見た電気工事の現場から伝えたいこと

漏電のサイン

「漏電しているかもしれません」

そう言われると、ちょっと怖いですよね。

でも、漏電って、どうやって気づくの?

これが普通だと思います。

水漏れなら床が濡れる。ガスなら臭いで気づくこともある。

でも電気は見えません。

自分は電気工事の仕事をしてきて、実際に漏電が関係した火災も見ています。

さらに、中古住宅をきれいにリフォームした後で漏電が分かり、せっかく直した壁をもう一度開けて配線を直した現場もありました。

だから今回は「漏電とは何か」だけではなく、

実際に現場で起きた話も含めて書こうと思います。


「この記事でわかること」

ここには、

・家庭で気づける漏電のサイン
・実際に漏電が原因で火災になった事例
・中古住宅のリフォーム後に漏電が発覚した事例
・中古住宅をリフォームするときに確認したいこと

「漏電のサインは?まず気にしてほしい5つ」

目次

漏電のサインは?まず気にしてほしい5つ

先に、家庭でも気づけるポイントをまとめます。

気になる症状確認したいこと
漏電ブレーカーが落ちる配線や電気機器などに異常がないか
雨の日に停電する屋外設備や配線への水の影響
家電に触れるとピリッとする使用をやめて専門家へ相談
コンセントなどが焦げ臭い発熱・損傷なども含めて確認
特定の機器を使うと毎回落ちる機器または回路側の異常を確認

もちろん、これだけで「漏電している」と断定することはできません。

ただ、

いつもと違う。

ここが大事です。


そもそも漏電って何?

簡単に言えば、

本来流れるはずの経路から電気が漏れてしまっている状態

です。

配線や電気製品は、電気が外へ漏れないように絶縁されています。

しかし、配線の損傷や経年劣化、電気製品の故障、水の侵入などによって絶縁性能が低下すると、漏電につながることがあります。

そこで重要になるのが漏電ブレーカーです。

異常を検知すると電気を遮断することで、感電などの事故を防ぐ役割があります。


実際にあった話① 建設会社の事務所で火災

これは自分が実際に経験した話です。

建設会社の事務所で、漏電が原因となった火災がありました。

「漏電」という言葉だけ聞くと、

ブレーカーが落ちる。

電気が使えなくなる。

その程度のイメージを持つ人もいるかもしれません。

でも実際には、火災につながることがあります。

この経験があるので、自分は漏電について、

「ブレーカーを戻して電気がついたから大丈夫」

とは簡単には考えません。

もちろん、ブレーカーが落ちた原因がすべて漏電というわけではありません。

電気の使いすぎで落ちることもあります。

だからこそ、

なぜ落ちたのか。

そこを確認することが大切です。


ブレーカーが落ちた=漏電ではありません

例えば夏。

エアコンをつけている。

電子レンジを使う。

ケトルを沸かす。

さらにドライヤー。

これでブレーカーが落ちたのであれば、単純に電気を同時に使いすぎた可能性もあります。

一方で、漏電ブレーカーが落ちているなら話は変わります。

まず「どのブレーカーが落ちたのか」を確認してください。

あわせて読みたい

「夏にブレーカーが落ちる原因は?」 ☚クリックして記事へ


実際にあった話② 中古住宅をリフォームしたのに、また壁を開けることに

もう一つ。

これは今でも、

「先に確認しておけばよかったのに」

と思う現場です。

中古住宅を購入し、内装をきれいにリフォームした住宅でした。

壁も床も仕上がった。

リフォーム完了。

そして引っ越しも終わった。

これから新しい生活が始まる。

そんな状態です。

ところが、その後に漏電が判明しました。

原因を調べ、配線を直すためには壁を開けなければならない。

つまり、

せっかくリフォームした壁を、もう一度外すことになったんです。


最終的に工事費はリフォーム会社が負担。でも、それで全部解決?

この件では最終的に、リフォームを担当した会社が責任を持って対応し、必要な工事費用も負担する形になりました。

費用だけを見れば、

「ちゃんと直してもらえたんだから良かった」

とも言えます。

でも、自分は現場を見ながら、

「いや、お金だけの問題じゃないよな」

と思いました。

だって、もう引っ越しが終わっているんです。

家具もある。

荷物もある。

生活が始まっている。

そこへまた職人が入って、

壁を開ける。

配線を直す。

壁を復旧する。

当然、時間も取られます。

家具や荷物を動かす必要が出ることもあります。

工事中は音も出ます。

ホコリも出ます。

そして何より、

「やっとリフォームが終わったと思ったのに、また工事か……」

これは普通にがっかりしますよね。


工事代を負担すれば「元通り」とは限らない

施工する側として、ここは忘れてはいけないと思っています。

何か不具合が起きて、

「工事費はこちらで負担します」

もちろん必要な対応です。

でも、お客さんが失ったものは工事代だけではありません。

時間。

予定を調整する手間。

工事に立ち会う負担。

家具や荷物を移動する手間。

そして、新しい家で生活を始めた直後にまた工事をするストレス。

お金では戻せない部分があります。

だから、この現場を見て自分が強く思ったのが、

「中古住宅をリフォームするなら、漏電確認もしておこうよ」

ということでした。


中古住宅のリフォームなら、壁を閉じる前に電気も見る

もちろん、

中古住宅=漏電している

ではありません。

そこは勘違いしないでください。

ただし、築年数が経っている住宅を大きくリフォームするなら、電気設備を確認する良いタイミングでもあります。

特に壁や天井を開ける工事。

せっかく普段見えないところが見えるんです。

なら、

分電盤。

既存配線。

コンセント。

スイッチ。

回路。

そして漏電の有無。

こうした電気設備も確認しておく。

自分ならそうします。


クロスを張る前ならできる。でも完成後は……

これが結構大きいです。

壁が開いている。

まだクロスも張っていない。

この状態なら、配線の確認や工事もしやすい。

ところが、

ボードを張った。

クロスを張った。

家具を入れた。

引っ越した。

その後に、

「配線を直すので壁を開けます」

となれば話は全然違います。

だから、

見えるところをきれいにする前に、見えなくなるところを確認する。

中古住宅のリフォームでは、かなり大事だと思っています。


雨の日だけブレーカーが落ちるのも一つのサイン

晴れている日は問題ない。

でも大雨になると落ちる。

こんな症状もあります。

屋外には、

エアコン室外機。

屋外コンセント。

外部照明。

門灯。

いろいろな電気設備があります。

水の影響を受けて異常が出るケースもあるので、

「雨の日になると毎回落ちる」

という情報は原因を調べる上でも重要です。

あわせて読みたい

エアコン室外機の周りに物を置くのは危険?


家電を触って「ピリッ」としたら確認し続けない

家電の金属部分などを触ったとき、

「なんかピリッとした」

「少ししびれた気がする」

そんな場合。

もう一回触って確認するのはやめてください。

異常が疑われる機器の使用を止め、必要に応じて専門業者へ相談してください。


焦げ臭い=漏電とは限らない。でも正常でもない

コンセントや分電盤から焦げ臭さを感じたからといって、それだけで漏電と断定することはできません。

接触不良。

過熱。

配線の問題。

機器の故障。

いろいろ考えられます。

ただ、

昨日までしなかった焦げ臭さが電気設備からする。

これは放置する話ではありません。

原因を確認してください。


漏電が心配なときは、この5つをメモ

業者へ相談するとき、

「漏電しているかもしれません」

だけでも相談できます。

ただ、次のことが分かると原因を探しやすくなります。

① いつ起きたか

② どのブレーカーが落ちたか

③ そのとき何を使っていたか

④ 雨が降っていたか

⑤ 同じことが何回起きたか

できれば分電盤の写真も撮っておく。

それだけでも十分役立ちます。


分電盤が古いなら、一緒に確認する

漏電ブレーカーは分電盤の中にあります。

家を建ててから長期間、一度も分電盤を気にしたことがない。

そんな住宅も珍しくありません。

だから中古住宅を購入したときや、大きなリフォームをするときは、

分電盤を見る良いタイミング

でもあります。

あわせて読みたい

分電盤って何年使える?「古いから交換」は本当に必要?


漏電は「自分で直してみよう」としない

YouTubeを見れば、いろいろなDIY動画が出てきます。

便利です。

でも、分電盤を開けて配線を触ったり、コンセントを外して原因を探したりするのはやめてください。

電気工事には資格が必要となる作業があります。

漏電が疑われているなら、なおさらです。

家でやってほしいのは、

異常に気づくこと。

そして、

いつ、どんな状況で起きたのか覚えておくこと。

そこまでで十分です。


まとめ|リフォームするなら「見えなくなる前」に電気も確認

今回、漏電の記事を書こうと思ったとき、真っ先に思い出したのがこの2つの現場でした。

一つは、火災。

もう一つは、せっかくリフォームした住宅の壁をもう一度開けた現場。

後者は最終的に施工会社が工事費を負担しました。

それでも、

時間は戻ってきません。

引っ越し後にまた工事をする負担もなくなりません。

だから、中古住宅をリフォームするなら、

壁を閉じる前に電気も確認する。

これを覚えておいてほしいです。

見た目をきれいにするのはもちろん大切。

でも、その壁の向こうには配線があります。

せっかくリフォームするなら、

見えなくなるところまで一度確認してから仕上げる。

実際に後から壁を開ける現場を見ているからこそ、そう思います。

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この記事を書いた人

実務ラボ|電気工事の現場人のアバター 実務ラボ|電気工事の現場人 電気・電気通信工事の現場経験者/会社経営

18歳から建設業界で現場を経験。大工を経て、23歳から電気通信・電気工事の世界へ。NTT関連の集合住宅工事、光回線の引込工事、CATV、テナント電気工事、全国規模のLED切替工事など、さまざまな現場に携わってきました。30歳で独立し、現在は電気・電気通信工事に関わる会社を経営しています。実務ラボでは、現場で実際に経験してきたことをもとに、電気工事・電気通信工事・工具・資格・独立・会社経営について発信しています。

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